ホーキンズ博士いわく、(心の)平和の領域に達する人はごくわずかであり、ほとんどの人はその内側にストレスを抱えています。
極端な話でいえば、休暇中ですら「何か」が気になって心底リラックスできない、とか。
普段から忙しいビジネスマンは、バカンス中であっても、心の奥底では仕事に戻ることを秘密裏に楽しみにしている…その証拠に、普段の仕事の重圧について普段は愚痴や文句を言うくせに、慣れ親しんでいる「仕事」に戻るととたんに安心する、という現象もそれですね。
それで、ストレスとはなんぞやという話ですが、博士いわく、
「現実であると虚偽であるとを問わず、人間の安全または身体に対する脅威が認識されたときに起きる反応のこと」
です。
反応には身体的、精神的、感情的なものがあります。
これをさらに端的にいうと、
「ストレスの本質とは、外部の刺激そのものというより、我々自身の抑圧された感情の圧力である」
となります。
ストレスの基が自分の内側にあるため、いくら外部環境が穏やかであってもストレスが湧き上がってきます。
ストレス因子をキャッチすると、アドレナリンが分泌されます。
特に都市部においては、人間は生存本能のなせるわざで高アドレナリン状態に依存するといわれています。激しい競争がその原因です。
激しい競争により生存本能が脅かされるため、アドレナリンが出され続けます。
しかしこの状態、もちろん本人に著しい疲労ももたらすのですが、陶酔感ももたらしてしまいます。
いわばランナーズハイ、の状態。
こういう状態の人が休暇に入ると突如落ち込んだりするわけです。
しかしこれ、アドレナリンが善であってそれを出し続けろという話にはなりません。
休みになると疲れがどっと出るのは、それまで痛みなどを抑えていたアドレナリンとコルチゾールの分泌が減るためといわれています。
コルチゾールには麻酔効果もあるためです。
ストレス反応があるとき、人間の身体は警報→抵抗→枯渇 という道を辿ります。
最終的にはコルチゾールの分泌に身体が耐えられなくなり、免疫系抑制、病気、そしていずれは死へと向かうことになります。
太字の定義に戻ります。
「現実であると虚偽であるとを問わず」という部分が重要でして、現実的な因子のみならず「思い込み」系の因子もストレスの発信源となりえるということです。
そしてもう一つ、疾患の原因として博士があげているのは「抑制抑圧された感情」であるということ。
ほとんどの疾患はこの二つが組み合わさることで発生するということです。
このブログでも何度かご紹介した、ネガティブな感情を手放すということは、病気の予防にも役立ちそうです。