ホーキンズ博士は、「ネガティブな感情のうちパワーがあるもの(恐怖、欲望、怒り、傲慢さ)についてはより上位の意識レベルに素早く到達できるよううまく利用しなさい」としています。
いつまでもそのレベルにとどまっていてはダメだということですが、欲望のレベルと傲慢さのレベルは一見人間の動物的本能にとっては居心地がいいレベルとなるため、中毒性が高く、自分自身をよくよく戒めないとそのレベルにとどまったまま一生を終えてしまうという危険性もなきにしもあらずなのです。
特に欲望は、人間誰しも持っているものであり、そして大小様々あります。
そして人間を上のレベルに押し上げる力もあれば下のレベルに引き下げる力も持っているのです。
例えばの話なのですが、自分が生まれた国がもともと内紛の多い国であり(アフリカや中東が代表例)、もっと平和な国で暮らしたいという欲望が叶えられれば、当の本人は攻撃や爆死などの恐怖に怯える必要がなくなるという点で、意識レベルの向上に寄与すると考えられます。
逆に、全身整形して常に自分の身体を美しく保ち、常に周囲から羨望の眼差しで見られたいという欲望を叶え続けるとどうなるか、という話ですが、その欲望の根本的な理由がネガティブだということも手伝って、後々あまりいい結果(本人が望むような結果)にはならない可能性が高く、逆に本人の意識レベルを下げてしまう危険性は上がります。
欲望は、選択と決定という性格ももち、もしそれが建設的に使われれば本人の意識レベル向上にも役立ちますが、欲望それ自体が中毒性が高い上に「ずっとそこにとどまっていたい」という変な居心地の良さも併せ持っているため、いつまでも欲望のレベルから脱出しないでいると霊的成長とは程遠い人生のまま一生を終えてしまう危険性も孕んでいます。

Transcending the Levels of Consciousness (English Edition)
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