ホーキンズ博士は、怒りを超越する方法として、著書「Transcending the Levels of Consciousness」の中で以下のように説明しています。
一般人には、怒りは不利益として捉えられる。一過性の迷惑であり、破壊的とみなされる。明白な解毒剤は、思いやり、受容、愛、赦す意志である。(怒りを)超越するには、主たる立ち位置を放棄する意思が必要である。
- 慢性的な怒りを心に抱き続け、「不正」を搾り取る。(ことを、放棄する)
- 利便性、合意、承認、追従、その他を含んだ非現実的な期待を世界と関わり合いにおいて抱く。(ことを、放棄する)
- 生活様式としての自己中心性を放棄し、世界ではなく自分自身を変えることに集中する。
- 自分や他人や投影した世界に対する、2歳児並みの幼児性が残った期待を放棄する意志。つまりこういうこと:「神よ、変えられないものを受け入れる静けさ、変えることができるものを変える勇気、変えられるものと変えられないものの違いを見分ける知恵をお恵みください」
- 内なる幼児的態度を表に引っ張り出し、それを理由とかバランスとか他者への配慮とかといった、成熟した本質的により喜ばしいプロセスに接続する。
- 怒りや憤りは他者の「あり方」に起因するのではなく、むしろ他者が「なってない」ことに起因することに気が付くこと。(寛大「じゃなく」ケチだとか、利他的「じゃなく」自己中だとか、注意深い「のではなく」思慮がない、とか)
- 人間の過ちの犯しやすさと限界を受け入れること。人間の中は、自分に正直であることが先天的に不可能なものがいるためである。
(Transcending the Levels of Consciousness Chapter7 Anger 筆者訳)
引用内、( )内の文書は、原書にはないものの筆者が加筆したものです。
(1~2番と3番以降の内容の性質が逆なため)
立ち位置 というのは、自分の意見、このブログでよく登場する「信念体系」と同じだと思ってもらえればいいと思います。
怒りを和らげる方法として、「相手の立場に立ってモノを見ること」といわれることがあります。
意識レベルが変わるとモノの見方が変わるのです。
モノの見方が変わるということは、自分の行動にも変化が出ます。
行動が変われば、運命も変わります。
エゴの最たる感情は「怒り」ではないか…というくらい、怒りの性質とエゴの性質はそっくりさんです。
本日の参考文献はこちら。

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